『ラウレス硫酸なんとか』ってのが入ったシャンプーは良くないんでしょ?
これは、お客様とシャンプーの話をしている時に、お客様が発した言葉です。
ちょっとびっくりしました、シャンプー選びの際にはそんなとこまで見てるんですね。
では、きちんとお答えします、まずは結論から。
これはシャンプーの洗浄成分(界面活性剤)の事ですが、「ラウレス」の他に「ラウリル」ってのもあり、
その後にさらに語句が続くのですが、
「ラウレス硫酸ナトリウム」という物がありますが、これは悪くありません。
悪いのは「ラウリル硫酸ナトリウム」という物です。
ラウリル硫酸ナトリウムはラウレス硫酸ナトリウムより洗浄力が強く、その分頭皮への刺激が強くなっています。
また、分子の構造が小さい為皮膚に浸透しやすく、頭皮への刺激が強くなっています。
まぁ、紛らわしいですね。でも安心して下さい。
現在「ラウリル硫酸ナトリウム」は、シャンプーの洗浄成分としては
ほとんど使用されていないと聞きます。
興味ある方は、こちらをご覧ください。
界面活性剤の毒性や安全性について細かく紹介されています。
https://cosmetic-ingredients.org/surfactant/
もともと世の中で販売されてるシャンプーは、ほとんどが以下の3種類に属していて、
○高級アルコール系(石油系)
○アミノ酸系
○石けん系
そしていつの間にか、高級アルコール系は安価で質が悪い、
洗浄力(脱脂力)が強すぎて、髪や肌に悪い、
ABS系(石油系)界面活性剤が、環境にも身体にも良くない、
高価な原料を使っているアミノ酸系シャンプーの方が良いに決まってる。
と、こんなイメージが付いてしまったんです。
誇張したCMや、ネットで氾濫している真偽不明な情報が原因じゃないでしょうか?
「じゃ、実際はどうなの、高級アルコール系シャンプーは良くないの?」となりますが、
率直に言うと、『ピンからキリまでで分かりません』となってしまいます。
高級アルコール系シャンプーは、
200〜300円の市販品から5000〜6000円位の美容室専売品もあります。
ちょっと乱暴な判断ですが、
高級アルコール系シャンプーの良否は価格と比例してると思っても良いと思います。
高級アルコール系シャンプーの洗浄成分(界面活性剤)は主に以下のようなものがあり、
・ラウレス硫酸ナトリウム
・ラウレス硫酸アンモニウム
・ラウリル硫酸アンモニウム
・スルホン酸ナトリウム
・パレス-3硫酸ナトリウム
これらの成分が身体に悪影響を及ぼすというという方もいますが、実はそれほどでも無くて、
皮膚から有害な物質が浸透して取り込まれる経皮毒(けいひどく)に関しては影響が無いと見られています。
大阪府立公衛研所報で紹介されている記事も参考になります。
東恵美子氏 中島孝江氏 マウスに対するラウレス硫酸ナトリウム吸入の生体影響について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bopiph/50/0/50_38/_pdf/-char/ja
私は、シャンプーの良否を判断するには、
使用されている界面活性剤だけでは無理だと思います(大まかな判断は出来ますが)
それよりも、いっしょに入っている他の指定成分も参考にした方が良いと思います。
高級アルコール系シャンプーに位置付けられていても、
アミノ酸系シャンプーに使用される両性界面活性剤と合わせて作られる時もあるし、
他にも香料や防腐剤、表面改質剤など、『こっちを気にした方が良いんじゃないか』と思う成分も入っています。
私は、界面活性剤よりも表面改質剤(シリコーン)の方が気になります。
こんな風に書くと、「シリコーンが悪い」と感じてしまいますが、
そうではなくて、あくまでもシリコーンの性質、使用料や配合の仕方となるんでしょうか?
シャンプーを作る人の考え方、コンセプト次第だと思います。どの成分をどれくらいどう使うかで
全く性質の異なったシャンプーが出来るはずです。 世の中、何もかも信用するのは難しい時代ですが、シャンプーを選ぶ時は、
個人製造や個人輸入、聞いたこと無いような小さなメーカーは避けといて
大手メーカーのちょっと高めの物を選べば失敗は少ないと思います。
あとは、相性の問題ですね。
「いや、それでも高級アルコール系シャンプーは嫌だ」という方へは
デミ ミレニアム シャンプーをオススメします。
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